表面接着物
专利摘要:
物質を表面に接着させる方法であって、アミン反応性基を備える表面とペプチドタグで標識されている物質とを接触させて、ペプチドタグを介して前記表面に前記物質を共有結合性接着させる工程を含み、前記ペプチドタグが1以上のヒスチジン残基を含み、前記ヒスチジン残基のうち1つが遊離N末端アミノ基を有する末端ヒスチジン残基である方法を提供する。上記の通り表面に物質を結合させる方法を含み、前記物質を加工或いは分析する1以上の更なる工程を含む加工或いは分析方法も提供する。本発明は、加工方法或いは分析方法であって、a)上で定義された方法により表面に物質を接着させる工程と、b)サンプル中のアナライトを前記表面に接着している前記物質に結合させるために、アナライトを含むサンプルを前記表面に接触させる工程と、c)前記アナライトの加工及び分析の少なくともいずれかを行う工程と、を含む方法を更に提供する。なし 公开号:JP2011514972A 申请号:JP2010550180 申请日:2009-03-10 公开日:2011-05-12 发明作者:コリン・キャンベル;ティル・バックマン;ホルガー・シュルツェ 申请人:アイティーアイ・スコットランド・リミテッド; IPC主号:G01N33-543
专利说明:
[0001] 本発明は、表面に物質を接着させる方法に関する。具体的には、本発明は、1以上のヒスチジン残基を含むペプチドタグを介してアミン反応性表面に物質を接着させる方法に関する。本発明は、更に、該方法で用いるための製品或いはキット、及び該方法におけるペプチドタグの使用に関する。] 背景技術 [0002] タンパク質、ポリペプチド、ペプチド、或いはオリゴヌクレオチドなどの物質を表面に接着させる多くの方法が既に報告されている。物質と表面との適切な組み合わせを選択することにより、該物質の該表面への接着を最適化させることができる。] [0003] 例えば特定の官能基を化学的に修飾することにより、或いはタグ分子を組み込むことにより物質を改質し、特定の表面に結合できるようにする方法は周知である。該方法は非特許文献1に概説されている。] [0004] 非特異的相互作用を阻止し、特異的物質を接着させるために特定の官能基で修飾されている表面も当該技術分野において開示されている。例えば特許文献1には、分析方法及び検出方法で用いられる物質に対する多官能性ポリイオン性コポリマーコーティングの使用について記載されている。前記コーティングは、アナライト溶液中に存在している成分の非特異的相互作用、吸着、或いは接着の抑制に有用である。検出されるべきアナライトを含有している物質中の標的分子を認識し得る、該標的分子と相互作用し得る、及び該標的分子に特異的に結合し得る化学基、生化学基、或いは生物基は、前記多官能性コポリマーにカップリングし得る、該コポリマーに組み込まれ得る、或いは該コポリマーに吸着され得る。] [0005] 本明細書に開示されるコポリマーコーティングとしては、環境との相互作用を制御する側鎖を備えるポリカチオン性骨格或いはポリアニオン性骨格に基づくブラシ状コポリマーが挙げられ、該側鎖はポリ(エチレングリコール)系側鎖、ポリ(エチレンオキシド)系側鎖、及び例えばビオチン等のアナライト特異的側鎖などである。] [0006] 表面に物質を接着させる方法は、例えばマイクロアレイ技術及びアナライトの精製などの多くの様々な用途を有する。物質と表面との相互作用の強度及び種類は、各々の具体的な用途に合わせて調整される。] [0007] DNAマイクロアレイ技術の分野では、表面にオリゴヌクレオチドを接着させる従来の方法は、アミノ修飾オリゴヌクレオチド或いはチオール修飾オリゴヌクレオチドを使用している。典型的に修飾オリゴヌクレオチドは、エポキシ−シラン或いはアルデヒド修飾ガラス基材に接着する。アミノ修飾オリゴヌクレオチド或いはチオール修飾オリゴヌクレオチドは、マイクロアレイ実験においてエポキシ−シラン或いはアルデヒド修飾ガラス基材と組み合わせて広く用いられているが、オリゴヌクレオチドと表面との間の接着効率がそれ程高くないため幾つかの問題が発生している。] [0008] 1番目に、プローブオリゴヌクレオチドを表面と接触させるとき、プローブオリゴヌクレオチドの多くが結合しない、分解する、或いは加工工程中及び分析工程中のいずれかに失われることから、表面に結合するプローブオリゴヌクレオチドの数が最適ではないことである。これは対象アナライトが利用可能な結合部位が少ないため、マイクロアレイの感度が著しく低下することを意味する。] [0009] 2番目に、マイクロアレイ技術では、マイクロアレイの表面上の領域或いはスポットごとにそれぞれ異なるプローブオリゴヌクレオチドが適用される。それぞれ異なるオリゴヌクレオチドが別々の領域に適用されるという事実により、他のアナライトとは独立に各オリゴヌクレオチドを分析することが可能になる。オリゴヌクレオチドが表面に効率的に結合しない場合、表面に結合するオリゴヌクレオチドの数が不十分になり、結果として表面上のオリゴヌクレオチド分布(スポット形状)に影響を与える恐れがある。] [0010] 既知のDNAマイクロアレイ技術についての更なる問題点は、プローブと標的オリゴヌクレオチドとの間のハイブリダイゼーション効率が最適ではない場合があることである。これは、表面上に結合しているプローブオリゴヌクレオチドの数が不十分であり、標的とするオリゴヌクレオチドの結合部位の数が不十分になることによると考えられる。或いは当該技術分野において既知であるオリゴヌクレオチドプローブ分子に対する特定の修飾により、オリゴヌクレオチドの配向が標的オリゴヌクレオチドとのハイブリダイゼーションにとって最も好ましいものではない配向になる、或いはプローブ分子間隔が最適ではなくなるためである可能性もある。] [0011] マイクロアレイ技術については非特許文献2に概説されている。] [0012] 近年ではタンパク質及びポリペプチドの精製方法を改良するための試みにおいて、タンパク質及びポリペプチドを表面に接着させる化学反応についても広く研究されている。例えばタンパク質及びポリペプチドの精製においてグルタチオンS−トランスフェラーゼ(GST)或いはヘキサヒスチジンペプチドなどのタグを使用することが数多く報告されている。組み換えタンパク質は、C末端或いはN末端における適切な精製タグと共に発現する。タグ付タンパク質を含むサンプルが特定の表面上、例えば精製カラム内のポリマーマトリクス表面上を通過するとき、タグ付タンパク質のみが表面に結合するため、タグ付タンパク質を精製することが可能になる。] [0013] ヒスチジンタグを用いてタンパク質を精製するとき、タンパク質が接着する表面は典型的にはニッケルニトリロ三酢酸(Ni−NTA)である(例えば非特許文献3参照)。ヒスチジンタグはキレート化機序を介してNi−NTAに結合し、そのときタグは通常少なくとも6つのヒスチジン残基を含み、ニッケルイオンの周囲の6つの配位座を満たしている状態である。イミダゾールはニッケルイオンの周囲の配位についてヒスチジン残基と競合するため、イミダゾール溶液の添加によりタンパク質のヒスチジンタグとNi−NTAマトリクスとの間の相互作用が失われ、したがって精製プロトコルの適切な段階でタグ付タンパク質を溶出させることができる。ヒスチジンタグ標識タンパク質とNi−NTAとの間の相互作用は、イミダゾールの添加時にタンパク質を置換することができるよう比較的弱く設計される。] [0014] ヒスチジンタグは、キレート化機序を介してNi−NTA表面にタンパク質を接着させるためにも用いられている(例えば非特許文献4参照)。しかしNi−ヒスチジン錯体は安定性が低いため、上記の通りタンパク質精製プロトコルにおいては有用であるものの、例えばマイクロアレイなど表面にタンパク質が接着した状態を保つ必要がある用途では問題がある。] [0015] 米国特許第6,884,628号明細書] 先行技術 [0016] Chemistry of protein conjugation and cross−linking,Shan S.Wong,CRCPress,2000 Sobek et al,Combinatorial Chemistry&High Throughput Screening,2006,9,365−380. Khan,F.,He,M.Y.,Taussig,M.J.,2006 Double−hexahistidine tag with high−affinity binding for protein immobilization,purification,and detection on Ni−nitrilotriacetic acid surfaces.Analytical Chemistry 78,3072−3079 Lata,S.,Piehler,J.,2005,Stable and functional immobilization of histidine−tagged proteins via multivalent chelator headgroups on a molecular poly(ethylene glycol)brush,Analytical Chemistry 77,1096−1105] 発明が解決しようとする課題 [0017] 本発明の目的は、上記先行技術における問題の1以上を解決することにある。具体的には本発明の目的は、1以上のヒスチジン残基を含むペプチドタグを介して表面に物質を接着させるための改良法を提供することにある。更なる目的は、接着方法を含む分析方法、前記方法で使用するための製品或いはキットを提供することにある。] 課題を解決するための手段 [0018] したがって本発明は、表面に物質を接着させる方法であって、アミン反応性基を備える表面とペプチドタグで標識されている物質とを接触させて、ペプチドタグを介して前記表面に前記物質を共有結合で接着させる工程を含み、前記ペプチドタグが1以上のヒスチジン残基を含み、前記ヒスチジン残基のうちの1つが遊離N末端アミノ基を有する末端ヒスチジン残基である方法を提供する。] [0019] 驚くべきことに、対象物質のペプチドタグ修飾とアミン反応性表面とを組み合わせることにより、前記物質の前記表面への接着をより優れたものにできることが見出されている。本方法は、当該技術分野において既知である他のタグ或いは官能基を用いる方法よりも効率的な表面と対象物質との間の反応を可能にする。結果として本特許請求の範囲で請求される方法では、より多くの対象物質が表面に結合する。] [0020] 本発明の好ましい実施形態では、表面はエポキシ−シラン或いはCodeLinkTMを含む。] [0021] 上で詳述された表面に物質を接着させる方法を含み、前記物質を加工或いは分析する1以上の更なる工程を含む加工方法或いは分析方法も提供する。] [0022] 前記加工方法或いは分析方法は、当該技術分野において既知である他の類似の加工方法或いは分析方法と比べて感度が向上していることが見出されている。これは上記の通り本特許請求の範囲で請求される方法では、より多くの対象物質が表面に結合し、前記表面上に結合している状態を保つためである。結果として先行技術に係る方法より多くの分子を分析及び加工に利用することができるため、前記方法の感度は著しく上昇する。] [0023] 好ましい実施形態では更なる工程は、物質が存在するか否かを検出する工程を含む。] [0024] 別の好ましい実施形態では更なる工程は、物質の量を検出する工程を含む。] [0025] 本発明は加工方法或いは分析方法であって、 a)上で定義された方法により表面に物質を接着させる工程と、 b)サンプル中のアナライトを前記表面に接着している前記物質に結合させるために、アナライトを含むサンプルを前記表面に接触させる工程と、 c)前記アナライトの加工及び分析の少なくともいずれかを行う工程と、 を含む方法を更に提供する。] [0026] この加工方法或いは分析方法はまた、当該技術分野において既知である方法に比べて感度が向上している。これは上述の通り、より多くの物質が表面上に接着しており、したがってアナライトの結合部位がより多いためである。また表面に接着している物質とアナライトとの間の結合効率は、本発明に係るペプチドタグを用いたときの方が他の修飾を用いたときよりも高い。これは、ペプチドタグにより惹起される物質の配向が好ましいため、或いは表面に接着している分子間隔が最適であるためであると考えられる。] [0027] 好ましい実施形態では工程c)は、サンプル中に物質が存在するか否かを検出することを含む。] [0028] 別の好ましい実施形態では工程c)は、サンプル中のアナライトの量を検出することを含む。] [0029] 更に好ましい実施形態では工程c)は、表面に接着している物質に結合しているサンプル中のアナライトによりもたらされるシグナルを検出することを含む。] [0030] 本方法は、複数のアナライトを分析するための方法であって、複数の物質が表面に接着しており、各物質が異なるアナライトに対して特異的である方法であってもよい。異なるアナライトが表面の異なる領域に結合するように、異なる物質が前記表面の異なる領域に接着していてもよい。この実施形態は、異なるアナライトを互いに独立して加工或いは分析することを可能にするという点で有利である。] [0031] 当該技術分野において既知である方法に対して本方法では、異なる領域(或いはスポット)が改善されている形態を有する。これは、本方法において表面に接着している対象物質の分子数が、当該技術分野において既知である類似方法において表面に接着している対象物質の分子数よりも多いという事実に起因する。更にペプチドタグにより分子の配向が好ましくなり、且つ分子間隔が最適になる。請求されている方法の改善されているスポット形態により、より高感度且つ高効率の加工及び分析が可能になる。] [0032] 本発明の好ましい実施形態では、アナライトは、表面に接着している1以上の物質のヌクレオチド配列に対して相補的なヌクレオチド配列を含むオリゴヌクレオチドである。この場合、結合工程は、相補的配列のハイブリダイゼーションを含む。この方法は、当該技術分野において既知である方法と比べて高いハイブリダイゼーション効率を有する。これは、表面に接着しているプローブオリゴヌクレオチド分子の数が増加し、ペプチドタグによりプローブオリゴヌクレオチドの配向及び間隔が改善されるためであると考えられる。] [0033] サンプル中の1以上のアナライトを分析するための製品であって、アミン反応性基を備える表面と;1以上のヒスチジン残基を含むペプチドタグを介して前記表面に共有結合している物質であって、前記ヒスチジン残基のうち1つがN−末端ヒスチジン残基であり、該表面と該物質との結合により前記表面に結合している物質が対象アナライトに結合することができる物質と;を含む製品もまた提供される。] [0034] 本発明は、サンプル中の1以上のアナライトを分析するためのキットであって、アミン反応性基を備える表面を有する基材と;サンプル中の対象アナライトに結合することができる物質を含む液体であって、各物質が1以上のヒスチジン残基を含むペプチドタグで標識されており、前記ヒスチジン残基のうち1つが遊離N−末端アミノ基を有する末端ヒスチジン残基である物質を含む液体と;を含むキットを更に提供する。] [0035] 製品或いはキットは、エポキシ−シラン或いはCodeLinkTMを含む表面を含むことが好ましい。] [0036] 製品或いはキットは、対応する方法と同じ利点を提供する。] [0037] 次にほんの1例として添付図面を参照し本発明について更に記載する。] 図面の簡単な説明 [0038] 図1は、本発明に係るペプチドタグの例を示す。 図2は、ペプチドタグで修飾されている物質のアミン反応性表面への接着方式の概略図を示す。 図3は、本発明に係る分析方法の概略図を示す。a)ペプチドタグで修飾されている物質をアミン反応性表面に接着させ、b)前記表面に接着している前記物質にサンプル中のアナライトを結合させるために、前記アナライトを含む前記サンプルに前記表面を接触させる。 図4は、ヒスチジン残基のイミダゾール基とエポキシポリマーとの反応機構を示す。(a)反応開始及び(b)分子鎖の伸長及び架橋。 図5は、Erie Scientificのエポキシシランスライド上に3種の濃度(0.2μM、2μM、及び20μM)でスポットされている異なる官能基を有するプローブが、アレイ上においてCy−3標識相補的標的(100nM)とハイブリダイゼーションした後の平均蛍光強度のプロットを示す。N=30。 図6Aは、Deep Purple全タンパク質染色法で染色したErie Scientific(登録商標)エポキシシランスライド上の4D8 scAb抗体アレイの蛍光画像を示す。 図6Bは、3種の濃度(0.1mg/mL、0.5mg/mL、及び1mg/mL)でスポットされている異なる官能基を有する4D8scAbの2つの同一サブアレイの平均蛍光強度を示す。n=15。 図6Cは、3種の濃度(0.1mg/mL、0.5mg/mL、及び1mg/mL)でスポットされている、異なる官能基を有する4D8scAbの2つの同一サブアレイの平均蛍光強度を示す。n=15。 図7は、Schott Nexterionエポキシシランスライド上に3種の濃度(0.2μM、2μM、及び20μM)でスポットされている異なる官能基を有するプローブが、アレイ上において100pMのCy−3標識相補的標的とハイブリダイゼーションした後の平均蛍光強度を示す。n=5。[Am=アミノ;SH=チオール;Ala=6×アラニン;Lys=6×リジン;Tyr=6×チロシン;AcHis=アセチル化末端アミノ基を備える6×His;His=6×His]。 図8は、Schott Nexterionエポキシシランスライド上に3種の濃度(0.2μM、2μM、及び20μM)でスポットされている異なる官能基を有するプローブが、アレイ上において10pMのCy−3標識相補的標的とハイブリダイゼーションした後の平均蛍光強度を示す。n=5。[Am=アミノ;SH=チオール;Ala=6×アラニン;Lys=6×リジン;Tyr=6×チロシン;AcHis=アセチル化末端アミノ基を備える6×His;His=6×His]。] 図1 図2 図3 図4 図5 図6A 図6B 図6C 図7 図8 [0039] 次に本発明について更に詳述する。] [0040] 物質に結合している、或いは組み込まれている1以上のヒスチジン残基を含むペプチドタグを介した表面に対する該物質の接着が生じる限り、本発明に係る方法を用いて表面に任意の種類の物質を接着させることができる。しかし前記物質は、タンパク質、ペプチド、ポリペプチド、炭水化物、核酸、ロックト核酸、ペプチド核酸、及びオリゴヌクレオチドのいずれかから選択されることが好ましい。本発明で用いられるオリゴヌクレオチドはRNA及びDNAのいずれかであってもよい。] [0041] 本発明で用いられるペプチドタグは、1以上のヒスチジン残基を含み、末端ヒスチジン残基は遊離N−末端アミノ基を有する。ペプチドタグの配列は特に限定されず、ヒスチジンに加えて修飾アミノ酸を含む他のアミノ酸残基を含んでいてもよい。] [0042] 好ましくは、ペプチドタグは1個〜20個のヒスチジン残基を含む。より好ましくは、ペプチドタグは1個〜12個のヒスチジン残基を含む。更により好ましい実施形態では、ペプチドタグは1個〜8個のヒスチジン残基を含む。更により好ましい実施形態では、ペプチドタグは6個のヒスチジン残基を含む。] [0043] 好ましくはまた、ペプチドタグは1個以上のシステイン残基を含む。より好ましくは、ペプチドタグは1個〜5個のシステイン残基を含む。更により好ましくは、ペプチドタグは1個〜3個のシステイン残基を含む。更により好ましい実施形態では、ペプチドタグは1個或いは2個のシステイン残基を含む。更により好ましい実施形態では、ペプチドタグは1個のシステイン残基を含む。] [0044] 典型的には、ペプチドタグは1個〜20個のヒスチジン残基と1個〜5個のシステイン残基とを含む。より好ましくは、ペプチドタグは1個〜12個のヒスチジン残基と1個〜3個のシステイン残基とを含む。更により好ましい実施形態ではペプチドタグは1個〜8個のヒスチジン残基と1個或いは2個のシステイン残基とを含む。] [0045] 最も好ましい実施形態ではペプチドタグは6個のヒスチジン残基と1個のシステイン残基とを含む。] [0046] 対象物質にペプチドタグを組み込む方法は特に限定されないが、典型的には対象物質に応じて異なる。例えばペプチド、ポリペプチド、及びタンパク質の場合、標準的な組み換えDNA技術を用いて、ペプチドタグの接着している対象ペプチド、対象ポリペプチド、或いは対象タンパク質を発現させることができるベクターを調製する。] [0047] オリゴヌクレオチドの場合、ペプチドタグは5’末端に接着していることが好ましい。] [0048] 表面がアミン反応性基を備える限り、物質が接着する表面は特に限定されない。ヒスチジン残基のアミン基と反応する任意の表面を用いることができる。表面はエポキシシラン或いはCodeLinkTMを含むことが好ましい。CodeLinkTMスライドは、Surmodics Inc.の許諾を受けて販売されている。CodeLinkTM表面の組成の詳細は、米国特許第5,741,551号明細書及び米国特許第5,512,329号明細書に見出すことができる。好ましい実施形態では、表面は基材上に位置する。典型的には基材はガラスを含む。或いは好適に修飾し得る任意の金属基材、金属酸化物基材、二酸化ケイ素基材、窒化ケイ素基材、セラミック基材、半導体基材、ポリマー基材、或いはプラスチック基材を用いることができる。マイクロアレイ技術で一般的に用いられている他の基材を用いてもよい。] [0049] 「アミン反応性基」という用語は、アミンと反応する任意の官能基を意味する。通常これら官能基は、求電子性官能基或いは求核攻撃を受ける官能基である。表面は、N−ヒドロキシスクシンイミドエステル基を含んでいてもよい。これら官能基は、ポリマーにコンジュゲートして非特異的相互作用を最小化する。通常ポリマーは親水性ポリマーである。ポリマーは共有結合性架橋を含んでいてもよい。] [0050] ペプチドタグは、アミン反応性表面と共有結合を形成する。ペプチドタグとアミン反応性基との間の強い相互作用は、隣接イミダゾール基による末端ヒスチジン残基の末端アミノ基の活性化、及びヒスチジン側鎖(イミダゾールアミン基)の二級アミンと表面アミン反応性基との反応により惹起される。したがって本発明の好ましい実施形態では、末端ヒスチジン残基の二級アミン基を通して物質が表面に接着する。かかる実施形態では、二級アミン基を通じた接着は、図4に示す種類の接着を意味する。] 図4 [0051] 図4は、イミダゾール基(ヒスチジン残基のイミダゾール基など)とエポキシ基(本発明で用いられるエポキシシランポリマーに存在するエポキシ基など)との反応を示す。イミダゾール残基の求核性二級アミンは、求電子性エポキシ基と反応する。この機序はCodeLinkTM表面にも適用可能である。この機序の更なる詳細は、Shi S.H.,Yamashita T.,Wong C.P.(1999),development and characterization of imidazole derivative cured bisphenol A epoxy materials for flip−chip underfill applications,Proceedings International Symposium on Advanced Packaging Materials 14−17,317−324に見出すことができる。] 図4 [0052] 上記の通り表面に物質を接着させる方法と、これに加えて前記物質を加工或いは分析する1以上の更なる工程とを含む加工或いは分析方法も提供される。] [0053] 「加工」という用語は特に限定されないが、一旦対象物質が表面に接着した後の前記対象物質の任意の更なる反応を含む。例えばペプチド、ポリペプチド、タンパク質、或いはオリゴヌクレオチドは、一度表面に結合すれば酵素反応或いは化学反応を受けることができる。「加工」という用語は、一旦表面に接着した後の物質の精製を含む。加工工程としては、表面の洗浄、アナライトの結合部位のブロッキング、インキュベーション、或いは物質が核酸である場合は増幅が挙げられる。加工工程は、物質が結合反応、或いは切断、リン酸化、及びメチル化のいずれかなどの更なる化学修飾を受けることが伴う場合もある。] [0054] 「分析」という用語は特に限定されないが、物質の存在及び非存在のいずれかの検出、或いは物質の定量を含む。「分析」という用語はまた、物質の物理的特徴、構造的特徴、或いは化学的特徴の特徴付けを指す場合もある。分析はまた、光学的シグナル、電気化学的シグナル、或いは機械的シグナルの変化の測定を含む場合もある。典型的にはかかる分析は、蛍光、発光、電流、電圧、インピーダンス、静電容量、共振周波数、表面プロファイル(AFM)、プラズモン共鳴、或いは二面偏波式干渉の測定を含む。] [0055] 方法は、液体で表面を洗浄する工程を含んでいてもよい。この工程は、表面に物質が接着した後且つ加工工程或いは分析工程の前に行うことが好ましい。液体はリン酸塩、Tris、Hepes、Mops、或いはホウ酸塩などのバッファを含んでいてもよい。液体は、例えばTween(登録商標)などの洗剤を含んでいてもよい。] [0056] 液体は、Triton(登録商標)X−100、HCl、KCl、或いは水のうちの1以上を含む溶液から選択することができる。液体は0.1%のTriton(登録商標)X−100であってもよい。或いは液体は1mMのHCl溶液であってもよい。100mMのKCl溶液を用いてもよい。] [0057] 方法は、ブロッキング溶液で表面を洗浄する工程を含んでいてもよい。適切なブロッキング溶液の例は、エタノールアミン−Trisバッファ溶液であり、典型的にはエタノールアミン−10mM Trisバッファ溶液、pH9である。] [0058] 更なる実施形態では、加工或いは分析方法は、 a)上記方法により物質を表面上に接着させる工程と、 b)前記表面に接着している前記物質にサンプル中のアナライトを結合させるために、前記アナライトを含む前記サンプルを前記表面と接触させる工程と、 c)前記アナライトを加工する工程及び前記アナライトを分析する工程の少なくともいずれかと、 を含む。] [0059] 方法は更に混合工程を含んでいてもよい。この方法は洗浄工程を更に含んでいてもよい。好ましい実施形態では、洗浄工程は工程b)の後であるが工程c)の前に行われる。液体は、塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウム、或いはドデシル硫酸ナトリウム(SDS)の1以上を含む溶液であってもよい。] [0060] 「アナライト」という用語は特に限定されず、表面に接着している物質に分子が結合できる限り、本発明に係る方法を使用して任意の種類の分子を加工或いは分析することができる。しかしアナライトは、タンパク質、ペプチド、ポリペプチド、炭水化物、核酸、ロックト核酸、ペプチド核酸、及びオリゴヌクレオチドのいずれかから選択されることが好ましい。本発明で用いられるオリゴヌクレオチドは、RNA及びDNAのいずれかであってもよい。] [0061] 「サンプル」という用語は、その中にアナライトが存在し得る任意の試料を指す。サンプルはアナライトの混合物を含んでいてもよい。例えばサンプルは、血液サンプル、糞便サンプル、尿、脳脊髄液、唾液、痰、拭き取りサンプル、洗浄サンプル、水、食品、空気、土壌、細胞可溶化物、或いはゲル消化物から得られる溶液であってもよい。] [0062] 「接触」という用語は特に限定されない。典型的にはサンプルは、液体ハンドラを用いて表面に塗布される。液体ハンドラは、接触式スポッタ或いは非接触式スポッタであってもよい。サンプルは手動で表面に塗布してもよい。] [0063] 本発明に係る方法では、サンプル中のアナライトは表面に接着している物質に結合する。相互作用は任意の種類の特異的相互作用であってもよい。アナライトは、水素結合、ファンデルワールス力、或いは疎水性相互作用などの非共有結合性相互作用を介して結合してもよい。例えば係る結合事象は、抗体に対する抗原の結合を含んでいてもよい。] [0064] 本発明の好ましい実施形態ではアナライトは、表面に接着している物質の1以上のヌクレオチド配列に対して相補的であるヌクレオチド配列を含むオリゴヌクレオチドである。この場合、結合工程は、相補的配列のハイブリダイゼーションを含む。ハイブリダイゼーションを作用させるために、加熱工程が必要である場合がある。加熱工程の後に、様々な濃度の液体を用いて或いは様々なストリンジェンシーで表面を洗浄する1以上の工程を行ってもよい。] [0065] 本発明に係る方法の分析或いは加工工程は、表面に接着している物質に結合しているサンプル中のアナライトによりもたらされるシグナルを検出することを含んでいてもよい。] [0066] 方法は、複数のアナライトを分析するための方法であって、複数の物質が表面に接着しており、各物質が異なるアナライトに対して特異的である方法であってもよい。好ましい実施形態では、異なる物質は前記表面の異なる領域に接着しており、その結果前記異なるアナライトが前記表面の異なる領域に結合し、前記異なるアナライトを互いに独立して加工或いは分析することが可能になる。特に好ましい実施形態では、表面はマイクロアレイの表面である。] [0067] 分析或いは加工工程は、サンプル中の2以上の異なるアナライトの相対量を測定する工程を含んでいてもよい。各異なるアナライトは、他のアナライトにより生成されるシグナルと識別可能なシグナルを生成することが好ましい。] [0068] サンプル中のアナライト或いは表面に接着している物質は、レポーター基を更に含んでいてもよい。各異なるアナライト或いは物質は、異なるレポーター基を含んでいることが好ましい。通常各異なるレポーター基は、他のレポーター基により生成されるシグナルと識別可能なシグナルを生成する。各シグナルの相対強度を用いて、各異なるアナライト或いは物質の相対量を測定することができる。] [0069] 好ましい実施形態では、レポーター基は蛍光分子である。例えばシアニン色素Cy3或いはCy5を用いることができる。] [0070] 或いはフルオレセイン及びTAMRAのいずれかを用いてもよい。レポーター基が蛍光分子であるとき、蛍光分光法を用いて対象分子を検出することができる。具体的にはマイクロアレイスキャナを用いることができる。] [0071] 或いはレポーター基は酵素、メチレンブルー及びフェロセンのいずれかなどの電気化学的活性化合物、或いは表面増強共鳴ラマン散乱(SERRS)で用いられる色素であってもよい。] [0072] 更なる実施形態ではレポーター基はナノ粒子であってもよい。ナノ粒子は、金属、金属ナノシェル、金属二元化合物、及び量子ドットから選択されることが好ましい。好ましい金属或いは他の元素の例は、金、銀、銅、カドミウム、セレニウム、パラジウム、及びプラチナである。好ましい金属二元化合物及び他の化合物の例としては、CdSe、ZnS、CdTe、CdS、PbS、PbSe、HgI、ZnTe、GaAs、HgS、CdAs、CdP、ZnP、AgS、InP、GaP、GaInP、及びInGaNが挙げられる。] [0073] 金属ナノシェルは、金属薄肉シェルに取り囲まれているコアナノ粒子を含む球形ナノ粒子である。金属ナノシェルの例は、金薄肉シェルに取り囲まれている金硫化物或いはシリカのコアである。] [0074] 量子ドットは光吸収性の高い発光ナノ粒子である、半導体ナノ結晶である(West J,Halas N,Annual Review of Biomedical Engineering,2003,5:285−292“Engineered Nanomaterials for Biophotonics Applications:Improving Sensing,Imaging and Therapeutics”)。量子ドットの例は、CdSe、ZnS、CdTe、CdS、PbS、PbSe、HgI、ZnTe、GaAs、HgS、CdAs、CdP、ZnP、AgS、InP、GaP、GaInP、及びInGaNナノ結晶である。] [0075] 他の可能な検出方法としては、光導波路検出、二面偏波式干渉、表面プラズモン共鳴、UV分光法、可視分光法、フーリエ変換赤外分光法(FTIR)、ラマン分光法、ELISA、質量分析、電気化学的検出、機械的検出、重量分析、微量天秤、圧電検出、或いは表面弾性波(SAW)検出が挙げられる。] [0076] サンプル中の1以上のアナライトを分析するための製品であって、アミン反応性基を備える表面と;1以上のヒスチジン残基を含むペプチドタグを介して前記表面に共有結合している物質であって、前記ヒスチジン残基のうち1つがN−末端ヒスチジン残基であり、対象アナライトに結合することができる物質と;を含む製品もまた提供される。表面はガラス基材の表面であることが好ましく、ガラススライドの表面であることがより好ましい。或いは、好適に修飾し得る任意の金属基材、金属酸化物基材、二酸化ケイ素基材、窒化ケイ素基材、セラミック基材、半導体基材、ポリマー基材、或いはプラスチック基材を用いることができる。マイクロアレイ技術で一般的に用いられている他の基材を用いてもよい。] [0077] サンプル中の1以上のアナライトを分析するためのキットであって、アミン反応性基を備える表面を有する基材と;サンプル中の対象アナライトに結合することができる物質を含む液体であって、各物質が1以上のヒスチジン残基を含むペプチドタグで標識されており、前記ヒスチジン残基のうち1つが遊離N−末端アミノ基を有する末端ヒスチジン残基である物質を含む液体と;を含むキットが更に提供される。] [0078] 次にほんの1例として以下の特定の実施形態を参照し本発明について更に記載する。] [0079] 実施例1−予備実験 DNAマイクロアレイ Erie Scientific(登録商標)エポキシシランスライド(n=30)上に3種の濃度(0.2μM、2μM、及び20μM)でスポットされている、異なる官能基を有するオリゴヌクレオチドプローブを用いてマイクロアレイを調製した。試験したプローブの修飾は、一般的に用いられているアミノ基、チオール基、及びビオチン基、並びに本発明に係るペプチドタグであった。次いで、100nMのCy−3標識相補的標的オリゴヌクレオチドの溶液にプローブを接触させた。] [0080] 図5から分かるように、相補的蛍光標識標的を用いたハイブリダイゼーション試験において、本発明のヒスチジンタグ修飾オリゴヌクレオチドで最良の結果が得られた。ヒスチジンタグプローブ分子は、エポキシシラン、CodeLinkTM、及びNi−NTA修飾スライドに対して優れた結合を示した。ヒスチジンタグ修飾プローブで得られた蛍光シグナルは、より一般的に用いられているアミノ修飾プローブの約10倍、チオール修飾プローブの約3倍強かった。ヒスチジンタグ修飾プローブはまた、任意の他の試験したプローブ修飾より遥かに良好なスポット形態を示した。] 図5 [0081] タンパク質のマイクロアレイ ガラススライド上における異なる官能基を有する抗体断片の結合について調べるために、3種の異なる濃度(0.1mg/mL、0.5mg/mL、及び1mg/mL)の4種の抗マイクロシスチン−LR単鎖抗体(scAb)変異体を、エポキシシランスライド表面、アミン結合スライド表面、及びNi−NTAスライド表面上にスポットした。] [0082] 抗体断片を5種の異なるセットの官能基と組み合わせた。これら官能基は 1)6ヒスチジンタグ、 2)6ヒスチジン+4リジンタグ、 3)6ヒスチジン+AviTagTM 4)6ヒスチジン+C−末端システインタグ、 である。] [0083] エポキシシランスライドの場合、陽性スポット対照としてヒスチジンタグ及びアミノ修飾Cy−3標識オリゴヌクレオチドを適用した。陰性スポット対照としてPBS及び水をスポットした。AviTagTM修飾scAbをビオチン化し、次いでビオチン−タンパク質リガーゼbirAを適用することによりスポットした。Deep Purple全タンパク質染色法を用いて、結合しているscAbの量を測定した。] [0084] 図6Aから分かるように、抗アトラジン4D8抗体断片は、エポキシシランガラススライドに成功裏に結合することができた。スポット間変動及び1枚のスライド上の2つの同一サブアレイ間変動はかなり少なかった。ビオチン修飾scAb、ヒスチジンタグ修飾scAb、及びリジンタグ修飾scAbは、非常に類似の結合パターンを示した。図6B及び図6Cから分かるように、0.1mg/mL〜0.5mg/mLのスポットタンパク質では、蛍光強度値により表されるように、結合タンパク質の量が増加していた。抗体濃度を1mg/mLに増加させても蛍光シグナルはそれ以上増加しなかった。これら3種の抗体変異体がほぼ同程度反応するという知見は、これら3種の抗体変異体の全てが該抗体変異体のC−末端に有しているヒスチジンタグが、エポキシ基に対する結合に大きな影響を与えることを示す。] 図6A 図6B 図6C [0085] 実施例2−更なる実験 本発明の重要な目的は、固定化手順を改善することによりアッセイ性能を最適化させることである。以下に示すように、ヒスチジンタグ修飾オリゴヌクレオチドの性能は、他の試験したDNA修飾に比べて著しく向上した。] [0086] この試験を実施するため且つエポキシシラン表面との相互作用を実証するために、一連の5種の異なるペプチド−オリゴヌクレオチドコンジュゲートについて試験し、該コンジュゲートはEurogentec(Seraing,Belgium)製の40mer HCVウイルス量プローブ(40mer HCV viral load probe)に結合している末端アミノ基を有する芳香族ペプチド及び脂肪族ペプチドと、Eurogentec(Seraing,Belgium)製の40mer HCVウイルス量プローブに結合している末端アミノ基を有しない芳香族ペプチド及び脂肪族ペプチドからなる。] [0087] 1fM〜1nMの濃度のCy3標識40mer標的と、ハイブリダイゼーションバッファのみを用いた陰性対照模擬ハイブリダイゼーションとを用いるウイルス量ベンチマーク型実験において、異なるオリゴヌクレオチド修飾のアッセイ感度に対する影響を分析した。] [0088] 材料及び方法 DNAアレイ調製 200μmの硬いピンを用いてMicrogrid IIスポッタによりSchott Nexterion Slides E(エポキシシラン修飾表面)上の1×Schott Nexterionスポットバッファ中に、様々に修飾されたオリゴヌクレオチド(0.2μM、2μM、及び20μM)をスポットした。5mMのTris(2−カルボキシ−エチル)ホスフィンヒドロクロリド(TCEP)を含有している1×Schott Nexterionスポットバッファ中に、チオール修飾オリゴヌクレオチドをスポットして、メルカプト−エチル保護基を切断した。プリンティング前に、室温で30分間TCEP含有スポッティング溶液をインキュベートした。1時間加湿チャンバ内でスライドをインキュベートし、続いて乾燥条件下にて室温(RT)で一晩保存することにより、オリゴヌクレオチドプローブ分子を固定化した。] [0089] 次いでスライドを、室温で5分間絶えず混合しながら0.1%のTritonX−100溶液で洗浄し、4分間1mMのHCl溶液で洗浄し、10分間100mMのKCl溶液で洗浄し、1分間脱イオン水で洗浄した。50mMのエタノールアミン+0.1%のドデシル硫酸ナトリウム(SDS)−0.1M Trisバッファ溶液(pH9)で、50℃で15分間、スライドをブロッキングした。ブロッキング後、1分間脱イオン水でスライドを洗浄し、次いで遠心分離により乾燥させた(1,000rpmで2分間)。] [0090] ハイブリダイゼーション 撹拌しながら(回転速度4)55℃のAgilentハイブリダイゼーションオーブン内にてAgilent8ウェルガスケットスライドを用いて、50μLのCy3標識40mer標的−4×SSCバッファ+0.01%SDS溶液とアレイをハイブリダイズさせた。ハイブリダイゼーション後、絶えず混合しながら室温で10分間2×SSC+0.2%SDS溶液でアレイを洗浄し、室温で10分間2×SSC溶液で洗浄し、10分間0.2×SSCで洗浄した。スライドを水に浸漬した後、遠心分離により乾燥させた(1000rpmで2分間)。] [0091] 標的配列 5’−GCG AAA GGC CTTGTG GTA CTGCCTGAT AGG GTG CTT GCG A[5’]=Cy3] [0092] 蛍光スキャニング PMT200にて、励起波長532nm、発光波長575nmでTecan LS Relaoded蛍光スキャナを用いて蛍光画像を得た。] [0093] 検出限界 陰性対照チオール修飾HCMVプローブ(20μM)の蛍光強度の平均+2×標準偏差を用いて検出限界を測定した。] [0094] 結果 5種の異なるペプチドタグ、アミノ修飾、及びチオール修飾を含むオリゴヌクレオチドプローブをそれぞれ3種の異なる濃度で備えるDNAマイクロアレイを、エポキシシランスライド上に作製した。図7及び図8は、それぞれ100pMのCy3標識40mer標的及び10pMのCy3標識40mer標的とハイブリダイゼーションさせた後に得られた蛍光強度を示す。HCV特異的プローブ、HCMV陰性対照プローブもアレイに加えた。図7及び図8は、チロシン及びヒスチジンタグ付プローブにより、アミノ修飾プローブ或いはチオール修飾プローブより著しく高い蛍光強度が得られることを示す。アラニン/ロイシンタグ付プローブで得られた蛍光強度は、チオール修飾プローブの範囲内であった。遊離末端アミノ基を有しないヒスチジンタグ付プローブ(AcHis)から得られた蛍光強度は、遊離末端アミノ基を有するヒスチジンタグ付プローブで得られた蛍光強度の約半分であった。これはスライド表面上のエポキシシラン官能基への結合に対する末端アミノ基の影響が非常に大きいことを示す。一方アミノ修飾プローブと比較してペプチドタグ付プローブで得られる差分感度は、ペプチドがハイブリダイゼーション事象を補助するという更なる効果を有することを示す。] 図7 図8 実施例 [0095] 異なるプローブ修飾で得られた検出限界の比較により、アッセイ感度に対する修飾の影響が大きいことが示された(表2参照)。遊離末端アミノ基を有するヒスチジンタグ付プローブにより10fMの最低検出限界が得られた。これは、従来のプローブ修飾(チオール及びアミノ)に比べてそれぞれ2桁及び3桁感度が向上していることを意味する。]
权利要求:
請求項1 物質を表面に接着させる方法であって、アミン反応性基を備える表面とペプチドタグで標識されている物質とを接触させて、前記ペプチドタグを介して前記表面に前記物質を共有結合で接着させる工程を含み、前記ペプチドタグが1以上のヒスチジン残基を含み、前記ヒスチジン残基のうちの1つが遊離N末端アミノ基を有する末端ヒスチジン残基であることを特徴とする方法。 請求項2 末端ヒスチジン残基の二級アミン基を介して物質が表面に接着している請求項1に記載の方法。 請求項3 請求項1及び2のいずれかに記載の物質を表面に接着させる方法を含み、前記物質を加工又は分析する1以上の更なる工程を含む加工又は分析方法。 請求項4 更なる工程が、物質が存在するか否かを検出する工程を含む請求項3に記載の方法。 請求項5 更なる工程が物質の量を検出する工程を含む請求項3及び4のいずれかに記載の方法。 請求項6 更なる工程が液体で表面を洗浄する洗浄工程を含む請求項3から5のいずれかに記載の方法。 請求項7 洗浄工程が、表面に物質を接着させる工程後であるが加工又は分析する工程前に行われる請求項6に記載の方法。 請求項8 a)請求項1及び2のいずれかに記載の方法により表面に物質を接着させる工程と、b)前記表面に接着している前記物質にサンプル中のアナライトを結合させるために、前記アナライトを含むサンプルを前記表面と接触させる工程と、c)前記アナライトの加工及び分析の少なくともいずれかを行う工程と、を含むことを特徴とする加工又は分析方法。 請求項9 混合工程を更に含む請求項8に記載の方法。 請求項10 液体で表面を洗浄する洗浄工程を更に含む請求項8及び9のいずれかに記載の方法。 請求項11 洗浄工程が、工程b)の後であるが工程c)の前に行われる請求項10に記載の方法。 請求項12 工程c)が、サンプル中にアナライトが存在するか否かを検出する工程を含む請求項8から11のいずれかに記載の方法。 請求項13 工程c)が、サンプル中のアナライトの量を検出する工程を含む請求項8から12のいずれかに記載の方法。 請求項14 工程c)が、表面に接着している物質に結合しているサンプル中のアナライトによりもたらされるシグナルを検出する工程を含む請求項8から13のいずれかに記載の方法。 請求項15 請求項8から14のいずれかに記載の方法において、複数の物質が表面に接着されており、前記各物質が異なるアナライトに対して特異的である、複数のアナライトを分析するための方法。 請求項16 異なる物質が表面の異なる領域に接着されており、その結果異なるアナライトが表面の異なる領域に結合し、異なるアナライトを互いに独立して加工又は分析することが可能になる請求項15に記載の方法。 請求項17 サンプル中の2以上の異なるアナライトの相対量を測定する工程を含む請求項15及び16のいずれかに記載の方法。 請求項18 各異なるアナライトが、他のアナライトにより生成されるシグナルと識別可能なシグナルを生成する請求項15から17のいずれかに記載の方法。 請求項19 各シグナルの相対強度を用いて、各異なるアナライトの相対量を測定する請求項18に記載の方法。 請求項20 サンプル中のアナライト又は表面に接着している物質がレポーター基を更に含む請求項8から19のいずれかに記載の方法。 請求項21 各異なるアナライト又は物質が異なるレポーター基を含んでいる請求項20に記載の方法。 請求項22 各異なるレポーター基が、他のレポーター基により生成されるシグナルと識別可能なシグナルを生成する請求項21に記載の方法。 請求項23 レポーター基が蛍光分子である請求項20から22のいずれかに記載の方法。 請求項24 蛍光分子がCy3、Cy5、フルオレセイン、又はTAMRAである請求項23に記載の方法。 請求項25 レポーター基がナノ粒子、量子ドット、又は電気化学標識である請求項20から22のいずれかに記載の方法。 請求項26 シグナルが蛍光分光法により検出される請求項18から25のいずれかに記載の方法。 請求項27 シグナルが、光導波路検出、二面偏波式干渉、表面プラズモン共鳴、UV分光法、可視分光法、フーリエ変換赤外分光法(FTIR)、ラマン分光法、ELISA、質量分析、電気化学的検出、機械的検出、重量分析、微量天秤、圧電検出、又は表面弾性波(SAW)検出から選択される1以上の方法により検出される請求項18から25のいずれかに記載の方法。 請求項28 物質及びアナライトの少なくともいずれかが、タンパク質、ペプチド、ポリペプチド、炭水化物、核酸、ロックト核酸、ペプチド核酸、又はオリゴヌクレオチドから選択される請求項1から27のいずれかに記載の方法。 請求項29 物質がオリゴヌクレオチドであり、サンプル中の各アナライトがオリゴヌクレオチドであり、且つ表面に接着している前記物質の1以上のヌクレオチド配列に対して相補的であるヌクレオチド配列を含む請求項28に記載の方法。 請求項30 相補的配列のハイブリダイゼーションが工程b)で行われる請求項29に記載の方法。 請求項31 表面がマイクロアレイの表面である請求項1から30のいずれかに記載の方法。 請求項32 サンプル中の1以上のアナライトを分析するための製品であって、アミン反応性基を備える表面と、1以上のヒスチジン残基を含むペプチドタグを介して前記表面に共有結合している物質であって、前記ヒスチジン残基のうちの1つがN−末端ヒスチジン残基であり、対象アナライトに結合することができる物質と、を含むことを特徴とする製品。 請求項33 物質が末端ヒスチジン残基の二級アミン基を介して表面に接着している請求項32に記載の製品。 請求項34 異なるアナライトが表面上の異なる領域に結合する請求項32及び33のいずれかに記載の製品。 請求項35 マイクロアレイである請求項34に記載の製品。 請求項36 サンプル中の1以上のアナライトを分析するためのキットであって、アミン反応性基を備える表面を有する基材と、サンプル中の対象アナライトに結合することができる1以上の物質を含む液体であって、前記各物質が1以上のヒスチジン残基を含むペプチドタグで標識されており、前記ヒスチジン残基のうちの1つが遊離N−末端アミノ基を有する末端ヒスチジン残基である物質を含む液体と、を含むことを特徴とするキット。 請求項37 物質が、末端ヒスチジン残基の二級アミン基を介して表面に接着することができる請求項36に記載のキット。 請求項38 アナライト及び物質の少なくともいずれかが、タンパク質、ペプチド、ポリペプチド、炭水化物、核酸、ロックト核酸、ペプチド核酸、又はオリゴヌクレオチドから選択される請求項32から37のいずれかに記載の製品又はキット。 請求項39 表面がN−ヒドロキシスクシンイミドエステル基を備える請求項1から38のいずれかに記載の方法、製品、又はキット。 請求項40 表面がエポキシシラン又はCodeLinkTMを含む請求項1から39のいずれかに記載の方法、製品、又はキット。 請求項41 ペプチドタグが1個〜12個のヒスチジン残基を含む請求項1から40のいずれかに記載の方法、製品、又はキット。 請求項42 ペプチドタグが1個〜8個のヒスチジン残基を含む請求項1から41のいずれかに記載の方法、製品、又はキット。 請求項43 ペプチドタグが6個のヒスチジン残基を含む請求項1から42のいずれかに記載の方法、製品、又はキット。 請求項44 ペプチドタグが、1個以上のシステイン残基、1個以上のチロシン残基、及び1個以上のリジン残基の少なくともいずれかを含む請求項1から43のいずれかに記載の方法、製品、又はキット。 請求項45 表面が基材上に位置している請求項1から44のいずれかに記載の方法、製品、又はキット。 請求項46 基材が、ガラス、金属、金属酸化物、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、セラミック、半導体、ポリマー、又はプラスチックを含む請求項45に記載の方法、製品、又はキット。 請求項47 表面にオリゴヌクレオチドを共有結合性接着させるための、6個のヒスチジン残基と、任意的に1個以上のシステイン残基とを含むペプチドの使用であって、末端ヒスチジン残基が遊離N−末端アミノ基を有する使用。 請求項48 オリゴヌクレオチドが、末端ヒスチジン残基の二級アミン基を介して表面に接着している請求項47に記載の使用。 請求項49 表面がエポキシシラン又はCodeLinkTMを含む請求項47及び48のいずれかに記載の使用。
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公开号 | 公开日 EP2250291A1|2010-11-17| US20110077166A1|2011-03-31| WO2009112498A1|2009-09-17| WO2009112498A9|2009-12-03| GB0804495D0|2008-04-16|
引用文献:
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